最近、また学生に起業をすすめて云々という話題をちらりと耳にしました。まあ私の考えは「へえ」ぐらいなもので、成功しようが失敗しようが経験は経験。
結局話をしている人も全然関係ないことやってるわけじゃなくて、すべてある程度のポジショントークは入るし、起業や仕事に正解なんてないわけですから、一概に「良い」とか「悪い」とかはないのですね。
ただ、ひとつ、それでも詐欺まがいと思われるような体験はできれば避けた方がいいですし、そんなアホに付き合う時間があればコードのひとつでも書いてた方が有益なのは確かだと思うわけです。
無駄な時間を使わないためにはやはりよいメンターや支援者、エンジェルなどについてもらうことになるわけですが、その条件ってなんなのかなーっと思ったので、私の拙い経験からいくつかピックアップしてみました。
◎ケツを拭いてくれる
私が幸せだったのは、メンターが知識と金と時間をくれたこと。事業家として仕事を与えながら、事業のことを教え、時に厳しく、そして失敗に対して「どうしようもなくなったら帰ってこい」と、実際にケツを拭いてくれたことです。
相手も慈善事業じゃないですからそりゃ何回も失敗すれば飽きられます。でも何回かの失敗の後に学んで成功すると、一緒になって子供のように喜んでくれます。
相手もリスク背負ってくれるのかどうか。身を委ねる相手として確認すべきポイントです。
◎しんどい時にいじめる
ある時事業が厳しくって、メンターに仕事をくれとせがんだことがありました。このときの彼の返事は「やれないことはないが、自分の足で死ぬ気で金をかき集めてこい」だったかな。えー、しんどくなったらこいっていったのに、と一瞬思いましたが、ここでマイナスになれば私の負け。
千尋の谷にたたき落とされて、結果として私はそこからなんとか這い出ることに成功したのですが、後で聞くと「這い上がれないやつはたたき落とさないよ」とやさしくホントかどうかわからない本音を教えてくれました。
こういう事業家としての成長を判断できるかどうか。失敗したら痛々しいですが確認すべきポイントです。
◎逃げない
正直、失敗します。そんな時に「ああ、残念だったね。こうすればよかったのに」っていう人は多いです。でもそういう人は言うだけで下手すれば「君子危うきに近寄らず」と、どっかにいってしまいます。
こういう人は単におこぼれに預かりたいだけでメンターでもなんでもないです。気をつけましょう。
私も結構なトラブル続きで、メンターも「オマエの事業は絶対にスケールなんてしないから」とあきらめ顔で、でもどんなに変なことが起こってもアドバイスや生存確認はしてくれました。
起業家なんてトラブルの塊です。いいことばっかり目を向けず、トラブルにもめんどくせえといいつつ、解決法を探してくれる人はなるべく信用しましょう。
◎余裕がある
オフィスの家賃払えない人とかは距離をおきましょう。
いかがでしょうか。例えば資金調達をするタイミングになったとします。あなたは磯崎先生の書籍を熟読して資料を用意し、契約に臨むわけです。特にシード期の方や、まして学生さんなんて契約書そのものを見たことがない場合がほとんどなわけです。
こんなとき、メンターがいなければまともなレビューなんてできません。数百万の資金で会社の株式ほとんど持っていかれてなお、そのことが何なのか自体分からないのです。
株式の割合がどうとか小額だとかそういうことではなく、「その出来事がなんだったのか」を教えてくれる人、そんな人と出会うまでの間は起業とか事業とかはやめたほうがいいのかもしれません。